環境データ集
ENVIRONMENTAL
DATA

環境負荷の全体像

国内生産工場を中心に、地球温暖化の原因となるCO2の排出量削減、省エネルギー活動、廃棄物の削減と資源循環の推進、環境汚染の予防・防止に、継続的に取り組んでいます。また流通においても輸送の効率化を図り、CO2排出量の削減に取り組んでいます。

2022年度のエネルギー使用量と環境負荷

ガラスびんの3R

リデュース:超軽量びん

ガラスびんの軽量化によって、生産やリサイクルに必要な原料・エネルギーの削減をはかるリデュース。超軽量びんとは、日本ガラスびん協会が定義した最も軽量度の高いレベルのびん。

リユース:Rびん

びんを洗って何度もくりかえし使用するリユース。「Rびん」は日本ガラスびん協会の規格統一リターナブルびん。

リサイクル:エコロジーボトル

使い終わったガラスびんを砕いて新しいガラスびんの原料にするリサイクル。エコロジーボトルとは、原料としてカレットを90%以上使用し製品化したびん。

超軽量びん、Rびん、エコロジーボトルの売上本数指数

省エネルギーの主な取り組み

ガラスびんカンパニーの2022年度のエネルギー使用量は前年度と比較して1.8%の増加、プラスチックカンパニーの2022年度のエネルギー使用量は前年度と比較して1.4%の減少となりました。
ガラスびんカンパニーでは新型コロナ収束に伴い、生産量が増加したことが影響しています。
溶解炉は老朽化し燃比効率が悪化した窯を順次更新しており、今後も計画的に更新する予定にしています。
また高効率機器の導入や圧縮空気漏れの調査および修理など日々の取り組みによりエネルギー使用量削減を目指します。

  • 注)工場内のフォークリフトの燃料など、生産に直結しないエネルギーも算出範囲に含んでいます。また、発熱量の係数を省エネルギー法に基づいて計算しています。

エネルギー使用量

カレットの使用状況

2022年度の当社におけるカレット使用量の合計は32.3万tで、ガラス溶融量に占めるカレットの割合は71.9%でした。当社では、工場で発生したカレットはすべて、原料として再使用するとともに、市中から回収するカレットの確保に取り組んでおり、カレット使用量の数値はそれらを合計したものです。
さらなるカレットの確保のために自治体やカレット商様からの情報収集を強化しています。

カレット使用率

温室効果ガス排出量削減の主な取り組み

2023年9月、当社およびグループ会社の温室効果ガス排出量削減目標が「Science Based Targets(サイエンス・ベースド・ターゲット、以下SBT※1)」を認定する機関「SBT イニシアティブ(以下 SBTi※2)」より、1.5℃水準短期目標のSBT認定を取得しました。
2030年度までに温室効果ガスの排出量を2019年度比Scope1+2は46.2%削減、Scope3※3は27.5%削減と設定しました。
また、毎年の目標はScope1+2は4.2%削減、Scope3は2.5%削減と設定し、2022年度は2019年度比Scope1+2は10.2%削減、Scope3は1.2%削減となりました。新型コロナ収束に伴い生産量が回復したことが、目標に対して未達成になった主な要因です。
当社および山村グループでは、持続可能な社会の実現のため、地域及び環境との調和を重要な経営課題と認識し、すべての事業活動において関連法規を順守するとともに、省資源、省エネルギー、リサイクル、廃棄物削減に努め、地球環境負荷の低減により一層貢献していきます。

【温室効果ガス排出量削減のための
主な施策】

・当社ガラスびんカンパニー3工場
・山村倉庫(株)
溶解窯の更新(炉修)、生産性の向上、カレット利用率の向上、
ガラスびんの軽量化、CN電力の購入、空調機の更新、照明のLED化など
・当社プラスチックカンパニー2工場
・山村プラスチックプロダクツ(株)
省エネ設備への更新、良品率の向上と生産破棄の低減など
・当社ガラスびんカンパニー
・当社プラスチックカンパニー
・山村倉庫(株)
・山村プラスチックプロダクツ(株)
適地生産による輸送距離の削減、モーダルシフトの推進、
デポ倉庫の活用、積載効率改善による燃料の削減など
  • ※1)SBT(Science Based Targets)
    国際的な枠組みである「パリ協定」が求める⽔準と整合した、温室効果ガス排出削減⽬標
  • ※2)SBTi
    WWF、CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトによる共同イニシアティブ
  • ※3)Scope3の削減対象は、カテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ2(資本財)、カテゴリ3(Scope1,2に含まれない燃料、エネルギー活動)、カテゴリ4(輸送・配送(上流))、カテゴリ5(事業から出る廃棄物)、カテゴリ6(出張)、カテゴリ7(雇用者の通勤)、カテゴリ10(販売した製品の加工)、カテゴリ12(販売した製品の廃棄)とする。

【SBT認定:目標に向けた進捗状況】

Scope1・Scope2およびScope3 各カテゴリGHG排出量実績
算定対象:山村グループ
(日本山村硝子および連結対象事業会社)

SBT目標と当社GHG排出量推移

大気汚染防止の取り組み

2022年度のSOx排出量は326t、NOx排出量は896t、ばいじん排出量は13tでした。SOx、ばいじんは脱硫設備や電気集塵機およびバグフィルターなどの排ガス処理設備の維持管理によって、排出レベルを抑えています。大阪府立大学と共同でNOx低減技術開発を進めてきましたが、2018年度に採択された「NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム」は、2020年度に完了し、実用化に向けてテストを行っています。
今後は課題を解決し、実用化定着に向けて改良していきます。

SOx排出量

NOx排出量

ばいじん排出量

用水・排水への主な取り組み

2022年度の、ガラスびんカンパニーの用水使用量は408千m³、排水量は118千m³で前年度比はそれぞれ2.9%増、0.4%減となりました。
2022年度の、プラスチックカンパニーの用水使用量は29千m³で前年度比1.7%増、排水量は0.6千m³と低い値で推移しています。

用水使用量

排水量

廃棄物削減の取り組み

ガラスびんカンパニーの2022年度の廃棄物総量は3,077t、再資源化物量は2,913tで、廃棄物総量の前年度比は18.2%減となりました。ゴミの分別・再利用などの対策を継続し前年より大きく減少しました。再資源化率向上のため、再資源化可能な業者選定、工場内に持ち込んだごみの持ち帰り、エコキャップ運動への参加、家庭からの空きびん回収促進などの取り組みを継続していきます。
プラスチックカンパニーの2022年度の廃棄物総量は814t、再資源化物量は783tで、廃棄物総量の前年度比は3.4%増となりました。
その結果、ガラスびんカンパニーとプラスチックカンパニーをあわせた再資源化率は95%となり、前年度比±0%となりました。

廃棄物総量/再資源化物量/再資源化率

PRTR管理状況

PRTR対象物質については、適切な管理と届出を徹底するとともに、環境負荷の低減に努めています。
※PRTRとは化学物質排出移動量届出制度(Pollutant Release and Transfer Register)のことです。

  • 注)届出の対象は、特定第一種指定化学物質では取扱量が0.5t/年以上、第一種指定化学物質では取扱量が1t/年以上となっています。集計量は、日本山村硝子各工場の合計値となっています。
対象化学物質名 取扱量(t) 排出量(t)
(大気、水域)
移動量(t)
(廃棄物、下水道)
☆ コバルト及びその化合物 2.9 0.0 0.0
☆ 有機スズ化合物 9.3 2.7 0.0
☆ セレン及びその化合物 3.4 0.0 0.0
● 鉛及びその化合物 0.6 0.0 0.0
● ニッケル及びその化合物 3.3 0.0 0.0
☆ ほう素及びその化合物 46.5 0.0 0.4
☆ マンガン及びその化合物 41.4 0.0 0.0
● クロム及びその化合物 125.1 0.0 0.0

        ● 特定第一種指定化学物質 ☆ 第一種指定化学物質

PCB管理状況

PCBについては、適切な保管管理を徹底しています。保管中のPCB含有機器については認定処理施設において順次適正な処理の手続きを進めています。
2021年度に高濃度機器の処分が全て完了しました。2027年3月末の低濃度機器の処分締切に間に合うよう低濃度含有の疑いがある機器についても、調査・分析を進めています。
※PCBとはポリ塩化ビフェニル(Poly Chlorinated Biphenyl)のことです。高圧トランス、高圧コンデンサ、安定器の絶縁油などに使用されたものです。

  保管中(台) 使用中(台)
コンデンサ 5 2
照明用安定器 0 0
トランス 4 2
開閉器 0 0
その他 0 0