環境関連の研究
Environmental
research

ガラス溶解炉の省エネルギー化技術の開発

ガラス製造時の燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物(NOX)を低減し、溶解炉の燃焼空気比調整によるエネルギー消費の削減を図ることを目的として、2011年から大阪府立大学と共同でNOX低減技術開発を進めてきました。2013年に播磨工場の「湿式」排ガス処理設備のパイロットスケールテストで成果を上げ、2014年からは東京工場や埼玉工場で採用している「乾式」排ガス処理設備においても同様に開発を続けてきました。この技術を「乾式」で応用し、研究室スケールの実験からパイロットスケールでの実証を行うには多くの課題がありましたが、課題を一つひとつ解決することで、研究開発の死の谷を乗り越えてきました。2018年、当社の開発テーマ「プラズマ複合排ガス処理によるガラス溶解炉の省エネルギー化技術の開発」が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)戦略的省エネルギー技術革新プログラムに採択され、開発資金の助成を受け、生産規模での実証試験を行いました。2022年1月、NEDOはプログラムに応募のあった研究開発のうち、2020年度までに事業終了を迎えたテーマの中から優れた成果をあげた13テーマ14事業者を表彰しました。当社は、優良事業者に選出され、「省エネルギー技術開発賞・優良事業者賞」を受賞しました。

 

現在、本技術により開発した設備をガラス製造プロセスのモデルプラントとし、事業化を開始しています。2030年以降の脱炭素社会においては、CO2を発生させない脱化石燃料等を用いた燃焼の技術が普及するため、当該システムは大気クリーン化のために必須のシステムになると考えます。また、今後社会実装される新たな方式にも応用可能な技術開発を予定しています。

発表論文・口頭発表リスト
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燃料の脱炭素化

ガラスびん等に用いられるソーダ石灰ガラスは1450℃の温度で溶融します。現在、ガラス溶解炉では、都市ガスや重油などの化石燃料を使用した燃焼を行っています。本研究開発では、都市ガス等をアンモニアに置き換えて燃焼させ、ガラスびん向けソーダ石灰ガラスを溶融する実験を行ってきました。燃料としてのアンモニアは、化石燃料のように炭素を含まないため、燃やしてもCO2が発生しないという利点を有しています。
昨今の世界的な関心の高まりにより、2050年までのカーボンニュートラル社会の実現に向けた関連技術開発が活発になってきていますが、ガラス製造業はエネルギー多消費型産業の一つであるため、温室効果ガス等の環境負荷量低減に向けた対応が今後ますます求められていくと考えています。燃料としてのアンモニアは、ガラス産業においてCO2排出量削減に大きく役立つ可能性がある次世代エネルギーとして、注目されています。今後、アンモニアを用いたガラス溶融技術の開発をさらに進め、2050年のカーボンニュートラル社会の実現を目指していきます。

 

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